【司法試験予備試験】R4短答解説(民事訴訟法)

問31

法人でない社団等の当事者能力(29)

ア○ 原告団体は、当事者能力、当事者適格を有し、判決の効力は構成員全員に及ぶ。

イ× 固定資産ないし基本財産を有することは不可欠の要素ではない。

ウ× 実質的には当該社団が有しているとみるのが

事の実態に即していることに鑑みると、当該社団が、当事者として不動産の登記に関する訴訟を追行し、判決を受けることを認めるのが、簡明であり、関係者の意識にも合致している。

エ○ 団体としての組織をそなえ、多数決の原則が行われ、構成員の変更にも関わらず団体そのものが存続し、その組織によって、代表の方法、総会の運営、財産の管理、その他団体としての主要な点が確定しているものは、「権利能力なき社団」にあたるといえる。

オ○ 民法上の組合に29条が適用されるかについて、判例は肯定説を採っている。


問32

1○ 「憲法32条の裁判を受ける権利とは、性質上固有の司法作用の対象となるべき純然たる訴訟事件につき裁判所の判断を求めることができる権利である。補助参加の拒否の裁判は、民事訴訟における付随手続についての裁判であり、純然たる訴訟事件についての裁判にあたるものではないから、即時抗告の申立書の副本を送達せず、反論の機会を与えることなく不利益な判断をしたことが憲法32条に違反するものではない」

2× 再度申出をすることは許されない。決定に対しては即時抗告をすることができる(44Ⅲ)

3○ 申出を不要とすると訴訟の混乱を招くことを理由に、当然の補助参加関係を否定している。

4○ 「Zの損害賠償責任が認められれば、YはXに対しZと各自損害を賠償すれば足りることとなり、自ら損害を賠償したときはZに対し求償し得ることになるのであるから、Yは、本件訴訟において、Xの敗訴を防ぎ、ZのXに対する損害賠償責任が認められる結果を得ることに利益を有するということができ、そのために自己に対する第一審判決について控訴しないときは、第一審において相手方であったXに補助参加することも許されると解するのが相当である」

5× 補助参加人は従属的地位にあるため、被参加人のなし得ない行為はもはやできない(45Ⅰ但書)


問33

既判力(114)

ア× 口頭弁論終結後の新事由がない限り、既判力に抵触する。

イ× 「既判力に抵触し」という書き方が適切でないため、バツになる。限定承認の存在及び効力は訴訟物ではないため、既判力は生じない。しかし、訴訟物に準ずるものであるとして、また、判決主文に明示されること等を踏まえて、「限定承認の存在及び効力についても、“既判力に準じた効力”が及ぶため許されない」とする。

ウ○ 判例の立場では、訴訟物は一部請求部分に限定され、請求されていない残部には既判力が及ばないとする。したがって、後訴の残部請求は既判力に抵触しない。

エ× 前訴の所有権の存否に関する判断は理由中の判断に過ぎないため、既判力に抵触しない。

オ○ 反対債権の額が請求債権の額を上回る場合は、相殺に供した金額についてのみ既判力が生じ、残額については既判力が生じないので、後訴において、残額が存在しないとする判決も許される。また、前訴基準時前に消滅していたという事実は理由中の判断なので、前訴の既判力に抵触しない。


問34

1× 原告が、かかる確認を求めることにつき法律上の利益を有する時は、適法である。

2× ある財産が遺産に属することの確認の訴えは、判決の確定後に、遺産分割や遺産の帰属に関する争いを防ぎ、解決を図ることができるため、訴えの利益が認められる。

3○ 具体的相続分は、それ自体を実体法上の権利関係ということはできず、遺産の分割や遺留分の確定等のための前提問題として審理判断される事項であり、それのみを別個独立に判決によって確認することが、紛争の直接かつ抜本的な解決に適切かつ必要であるとはいえない。

4○ 受遺者が先に死亡した場合、遺贈の効力を生じなくなることを理由とする。

5× 「相続人の地位を有するか否かを既判力をもって確定することにより、遺産分割審判の手続等に関する紛議の発生を防止し、共同相続人間の紛争解決に資するため、共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要するものというべきである」


問35

ア× 特定の筆界を明示する必要はない。

イ○ 処分権主義が妥当しないため、不利益変更禁止の原則は適用されない。

ウ○ 当事者間の合意は裁判所を拘束しない。境界は客観的に固有のものであるから、当事者の合意によって決まるものではない。

エ× 境界に争いがある隣地所有者同士という関係に変わりはないため。

オ○ 要件事実が存在しないため、真偽不明はあり得ない。職権に基づいて何らかの境界線を定める必要がある。


問36

二重起訴の禁止(142)

ア○ 重複する訴えでないかどうかは職権調査事項である。

イ○ 「審理の重複や債権の一部と残部とで異なる判決がなされることによる判断の抵触の問題があるとしつつも、相殺の抗弁は訴えの提起と異なり、相手方の提訴を契機として防御の手段として提出されるものであり、相手方の訴求する債権と簡易迅速かつ確実な決済を図るという機能を有するものであるとの理由」から。

ウ○ 本訴における土地の所有権の帰属は審判対象ではなく、理由中の判断であるから、二重起訴にはあたらない。

エ× 審理の重複による無駄を避けるためと、複数の判決で矛盾した判断がされることを防ぐ142条の趣旨が、妥当するため。※別訴先行型

オ× 上訴でその取り消しを求めることができるが、再審事由ではないので、確定後は違法を争うことはできない。


問37

1× 請求の原因を変更する場合は、被告の防御権を害することにならないため、相手方の同意の有無に関わらず許される。したがって、書面は必要ない。

2× そのような規定はない。

3× 「著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときはこの限りでない」(143Ⅰ但書)この規定は公益のためであり、同意の有無は問題にならない。

4○ 「相手方の陳述した事実に基づいて訴えの変更をする場合には、請求の基礎に変更があるときでも、相手方の同意の有無にかかわらず、訴えの変更は許されると解すべきであり、“相手方の陳述した事実”には、いわゆる積極否認の内容となる間接事実も含まれると解すべきである」

5× 第一審の口頭弁論終結後でも、控訴審で口頭弁論が開かれれば、訴えの変更が認められることがある(301Ⅰ)


問38

ア× 「原告又は被告が」(158)

イ○ 「判決の言い渡しは当事者が在廷しない場合においてもすることができる」(251Ⅱ)

ウ○ 当事者の争う意思を推認できないため(159Ⅲ但書)

エ○ 「証拠調べは当事者双方が期日に出頭しない場合においてもすることができる」(183)

オ× 訴えの取り下げではなく、“控訴の”取り下げが擬制される(292Ⅱ)


問39

1○ 調査の嘱託(186)

2× 職権による証拠保全(237)当事者本人の尋問(207Ⅰ)

3○ 訴えの提起前における照会(132の2Ⅰ)

4× 文書送付の嘱託(226但書)

5× 当事者照会ができない場合に該当しない(163)


問40

1○ 証人尋問の申出(規則106)

2× 正当な理由なく出頭しない場合は、罰金等の制裁が科される(193Ⅰ)受命裁判官等による裁判所外の証人尋問は、195条各項に規定されている場合に限られる。

3○ 第一審で判決が確定したBは当事者ではなくなるため、証人尋問をすることができる。

4× 宣誓は、法定代理人の同意の趣旨にそぐわないものである。また、16才未満の宣誓は一律に禁じられている(201Ⅱ)

5○ 後に尋問される証人が影響されるのを防ぐために、退廷させるのが原則としつつ、例外を認めることができる(規則120)


問41

ア× 当事者の一方が欠席した場合、裁判長は、出頭した一方の当事者をして、当事者双方にかかる従前の口頭弁論の結果を陳述せしめることができる。

イ○ 口頭弁論の範囲等(296Ⅱ)

ウ○ 大規模訴訟等に関する特則(268)

エ○ 裁判所外における証拠調べ(185Ⅰ)

オ× 当該単独裁判官以外の裁判官は、従前の口頭弁論及び証拠調べに関与していないため、当事者は結果を陳述しなければならない(249Ⅱ)※弁論の更新


問42

判決事項(246)

1× 原告が給付判決を求めているのに、確認判決をすることは許されない。

2○ 消費貸借契約に基づく貸金返還請求権と、利息契約に基づく利息請求権は、実体法上、別個の請求権であるため、許されない。

3× 原告が損害賠償を求めていないのに、損害賠償を命ずる判決を下すことは許されない。

4○ 残代金の額を、原告の請求額より多いものと認めて引換給付判決をすることは、一部認容判決として許される。

5× 原因事実及び被侵害利益を共通にするものであるから、訴訟物は一個であり、損害の内訳について請求と異なる金額を認定しても、請求総額の範囲内であれば許される。


問43

ア× 詐欺脅迫等、明らかに刑事上罰すべき行為によって訴えの取り下げがされた場合は、338条1項5号の法意に照らし、無効であるとする。

イ○ 訴えの取り下げ(261Ⅱ)

ウ× 和解の効力を争う手段として、期日指定の申し立てによる旧訴の続行、和解無効確認の訴え、請求異議の訴えが認められており、当事者が選択できる。

エ○ 終了した訴訟は復活しない。※同一の訴えを提起しても二重起訴に当たらない。

オ× (134)「法律関係を証する書面」の真否の確定を求めるものでなければ、そもそも不適法であるから、例え相手方がその請求を認諾しても、訴訟上の効果を生じることはない。


問44

ア× 簡易裁判所における訴訟手続きでは、当事者の異議に関わらず、書面による補完を認めている(278)

イ○ 判決書の記載事項(280)

ウ○ 和解に代わる決定(275の2Ⅰ)

エ× 相手方の申し立てがある場合に限られ、職権で移送することはできない(274Ⅰ)

オ○ 簡易裁判所の裁量移送(18)


問45

ア× 控訴の提起は「第一審裁判所」にしなければならない(285、286Ⅰ)

イ× 確定遮断及び移審の効力は全請求に及ぶ。※控訴不可分の原則

ウ× 控訴の理由は控訴状の必要的記載事項ではなく、控訴理由書の提出も控訴の要件ではない(286)。したがって、上記を理由に、控訴が不適法として却下されることもない(278Ⅰ)

エ○ 控訴した原告に不利益なことが明らかであるから、不利益変更禁止の原則に違反し、許されない。

オ○ 附帯控訴(293Ⅱ)

【司法試験予備試験】R4短答解説(商法)

問16

ア× まず定款の作成及び認証が行われ(26Ⅰ)、次に出資の履行がされる(34Ⅰ)

イ× 出資の履行後、発起人の議決権の過半数をもって、遅滞なく選任しなければならない(38Ⅲ、40Ⅰ、Ⅱ)

ウ○ 株式会社の成立前は定款の変更をすることができない(30Ⅱ)

エ○ 発行可能株式総数の定め等(37Ⅱ)発行可能株式総数(113Ⅱ)※出資するということは、株式の交付を受けることである。

オ× 検査役による調査を省略した場合は、設立時取締役の調査は必要ない(46Ⅰ①)


問17

キャッシュアウト

ア× 株式の併合と全部取得条項付種類株式の取得については株主総会決議が必要であるが(180Ⅱ、171Ⅰ)、特別支配株主の株式等売渡請求においては、株主総会決議を経ない(179の2Ⅰ)

イ○ 一に満たない端数の処理

株式の併合(234Ⅰ②、Ⅱ)全部取得条項付種類株式の取得(235Ⅰ、Ⅱ)

ウ○ 特別支配株主の株式等売渡請求(179Ⅱ)株式の内容についての特別の定め(107Ⅱ③ホ)全部取得条項付種類株式の取得に関する決定(171Ⅰ①ハ)

エ× 「議決権の10分の9以上」(179Ⅰ)

オ○ 株式交換(768Ⅰ②、④)


問18

ア○ 流通の安全ではなく、もとの株主を保護する立場である。

イ× 「公開会社でない株券発行会社は」(215Ⅳ)

ウ× 株券を発行しない旨を株主名簿に記載又は記録をした時において無効となる(217Ⅴ)

エ○ 株券の無効(228Ⅰ)

オ○ 株券を発行する旨の定款の定め廃止した場合における株券喪失登録の抹消(227)


問19

ア× 「分配可能額を超えているときは適用しない」(170Ⅴ)

イ× 「単元未満株を売り渡すことを株式会社に請求できる」のではなく、「単元未満株売渡請求をすることができる旨を定款で定めることができる」と規定されているため、定款の定めがなければ請求することができない(194Ⅰ)

ウ○ 311条4項の「株主」の定義について、310条7項かっこ書きに規定されている。 

エ× 「募集株式の〜2分の1を超える場合」と「総株主の議決権の10分の1以上〜反対したとき」は別の規定である(206の2Ⅰ、Ⅳ)

オ○ 議事録(394Ⅱ)


問20

ア○ 非公開会社は取締役会の設置義務がない(327Ⅰ)ため、349条3項が適用される。

イ× 3ヶ月に1回以上報告しなければならない(363Ⅱ)

ウ○ 取締役会は、会社の業務執行について監査する地位にあるため。

エ○ 取締役の報酬が具体的に定められた場合、その報酬額が契約当事者を拘束するから、取締役の同意がない限り、報酬請求権を失わない。

オ× 「賛成したものと推定する」(369Ⅴ)


問21

ア○ 取締役の任期(332Ⅰ、Ⅳ)

イ× 社外取締役の設置義務(327の2)

ウ○ 監査等委員会による取締役会の招集(399の14)指名委員会等設置会社の取締役会の運営(417Ⅰ、2Ⅻ)

エ× 「監査役は取締役会に出席し、必要があると認めるときは意見を述べなければならない」(383Ⅰ)

オ× 監査役会設置会社は、取締役会の設置義務があり(327Ⅰ)、取締役会は「株式会社の〜に係る決定」を取締役に委任することができない(362Ⅳ⑥)

監査等委員会設置会社は362条の規定に関わらず当該決定を行う(399の13Ⅰ①ハ)

指名委員会等設置会社は、当該決定を取締役に委任することができない(416Ⅲ)※例外を除き、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる(416Ⅳ)


問22

ア○ 会社に損害が生じた場合、取締役会の承認を受けていたか否かにかかわらず、任務を怠ったものと推定される(423Ⅲ)

イ× 当該取引によって得た利益の額が、損害の額と推定される(423Ⅱ)

ウ× 推定されるのは任務懈怠であり、損害額ではない(423Ⅲ)

エ○ 428条1項により無過失責任を負うのは、自己のために直接取引した取締役に限られる。第三者と取引することを決定した“当該代表取締役の”責めに帰することができない事由によるものであることが証明できれば、同条は適用されず、免責される。

オ× 無過失責任を負うことになるのは、自己のために直接取引をした取締役に限られる(428Ⅰ)


問23

ア○ 吸収合併契約等の承認等(783)事業譲渡等の承認を要しない場合(468Ⅰ)

イ× 消滅会社は吸収合併によって当然に解散する。事業譲渡の場合は、単に取引行為によって事業が譲渡されるだけなので、会社は当然には解散しない(471)

ウ× 吸収合併の無効は、その効力が生じた日から6ヶ月以内に、訴えをもってのみ主張できる(828Ⅰ⑦)事業譲渡の場合は、一般の取引行為と同様に、訴えによらなくても無効を主張できる。

エ× そのような規定はない。

オ○ 「金銭等」(749Ⅰ②)とは、「金銭その他の財産」である(151Ⅰ)事業譲渡においても、取引契約の一種であるから、当事者が自由に決めることができる。


問24

1○ 取り消しと無効に実質的な差異はなく、法律関係の安定の趣旨のもとに手続き上の差異を設けたにすぎないため、最初から訴訟が提起されていたものとして問題ない。

2○ 瑕疵が継続する限り、以後の株主総会において、新たに取締役を選任することはできないものと解される。

3○ 第二決議が有効であることが確定した場合には、第一決議を取り消すことで、遡って効力を生じさせる必要がなくなるので、訴えの利益を欠く。

4× 相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するから、訴訟の原告たる地位を承継する。

5○ 手続きの適正をはかる法の趣旨を没却するため。


問25

ア○ 剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め(459Ⅰ④)

イ× 金銭分配請求権を定めるかどうかは任意である(454Ⅳ①)

ウ○ 資本金の額及び準備金の額(445Ⅳ)→準備金の計上(会社計算規則22Ⅰ①)

エ× 職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明すれば義務を免れる(464Ⅰ)

オ○ 欠損が生じた場合の責任(465Ⅰ⑩イ)


問26

ア× 取締役が清算人となる(478Ⅰ、Ⅱ)

イ○ 清算株式会社についての破産手続の開始(484Ⅰ)

ウ○ 清算事務の終了等(507Ⅳ)

エ○ 帳簿資料の保存(508Ⅰ)

オ× 法人格は、清算が結了しても、清算結了の登記をするまでは消滅しない(473、476)


問27

ア×引き継ぎに関しては当事者間で自由に決められる。譲渡が行われたことの法律効果として当然に移転することはない。

イ○ 「事業」とは、組織化され有機一体として機能する財産のことであり、「譲渡した」というには、譲受人に事業活動を受け継がせることが必要である。

ウ× 「当事者の別段の意思表示がない限り」(会社法21Ⅰ、商法16Ⅰ)競業避止義務は任意規定であり、軽減、免除、加重が可能である。

エ○ 詐害譲渡の場合は、商号の続用は無関係である(会社法23の2Ⅰ、商法18の2Ⅰ)

オ× 譲受人が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り、会社法22条1項が類推適用される。


問28

商法

ア× そのような規定はない。

イ○ 通知義務(27)

ウ○ 当事者の氏名等を相手方に示さない場合(549)

エ○ 代理商に関する規定の準用(557)→代理商の留置権(31)

オ× 557条は28条1項1号を準用していない。


問29

ア○ 引受けの効力(手形法78Ⅰ、28Ⅰ)支払保証の効力(小切手法55Ⅰ)

イ× 小切手も白地小切手として有効になり得る。小切手法13条は、手形法10条と同様に、白地小切手が認められることを前提に、不当補充について規定している。

ウ× 約束手形に関しては、一覧後定期払及び日附後定期払の他にも、確定日払、一覧払が認められている(手形法77Ⅱ、33Ⅰ)が、小切手に関しては、一覧払しか認められていない(小切手法28Ⅰ)

手形には、「信用の手段」すなわち支払いを繰り延べる手段としての機能があるのに対し、小切手には「支払の手段」、現金の代用としての機能があるためである。

エ× 約束手形の支払約束は「単純」でなければならない(手形法75Ⅱ)から、条件を付すことは許されない。小切手の支払委託もまた「単純」でなければならない(小切手法Ⅰ②)

オ○ 受取人の記載(小切手法5Ⅰ)


問30

ア○ 裏書の連続は、手形の所持人を権利者と推定するという形式的な資格の問題であって、実質的権利の帰属とは関係ない。権利者と推定されることはないが、権利を行使することはできる。

イ× 裏書の連続は形式的、外形的に判断される。通称の場合、実質的には有効であるが、記載上は別人であるため、裏書の連続はない。

ウ○ 手形法16条1項の「看做す」は推定するの意味と解される。権利行使を拒めないのは行き過ぎであるため。

エ× その抹消が権限のある者によってされたことを所持人が証明するまでもなく、被裏書人欄のみが抹消された場合には、白地式裏書となる。

オ× 裏書署名と対照して、受取人は個人名をさすと解されるから、裏書は連続する。

【司法試験予備試験】R4短答解説(行政法)

問13

ア× 行政権限の根拠に関する法ではなく、行政権限行使の対象となる私人の権利自由の根拠に関しては、既存の法律に反しない限り、慣習法が認められる余地がある。

イ× 行政の組織規範は内部規律に過ぎず、国民の権利義務を制約するための法律の根拠とはならない。

ウ× 代執行の要件は、①代替的作為義務違反、②他の手段による履行確保が困難であること、③履行を放置することが著しく公益に反すること、である。(行政代執行法2)


問14

ア○ 個人タクシー免許申請の審査手続(百選Ⅰ117)

イ× 行政手続が刑事手続でないとの理由のみで、当然に31条の枠外にあると判断すべきではないが、行政手続は刑事手続と性質が異なるため、諸事情を総合考慮して決せられ、常に必ず保障の機会を与えることを必要としない(憲法百選Ⅱ109、行政百選Ⅰ116)

ウ× 「基本法及び規制法が、原子炉設置予定地の周辺住民を原子炉設置許可手続に参加させる手続及び設置の申請書等の公開に関する定めを置いていないからといって、その一事をもって、右各法が憲法31条の法意に反するものとはいえず、周辺住民である上告人らが、本件原子炉設置許可処分に際し、告知、聴聞の機会を与えられなかったことが、同条の法意に反するものともいえない」


問15

ア○ 学校施設使用許可と考慮事項の審査(百選Ⅰ73)

イ× 同一の立場に立って判断すべきものではない。後段は誤り(百選Ⅰ80)

ウ○ 水俣病の認定と裁判所の審査(百選Ⅰ78)

エ× 自らの自由意思により学校を選択したことを理由に、著しい不利益を与えることが当然に許されることにはならない(憲法百選Ⅰ41)


問16

ア○ 税務調査の要件、手続(百選Ⅰ104)

イ× 権限の行使にあたって、取得収集される証拠資料が、後に犯則事件の証拠として利用されることが想定できたとしても、そのことによって直ちに犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使されたことにはならない(百選Ⅰ105)

ウ× 不審な点の有無に関わりなく許容される(百選Ⅰ107)

エ○ 実質上、刑事責任追及のための資料の収集に直接結びつく作用を一般的に有すると認めるべき場合や、実質上、直接的物理的な強制と同視すべき程度にまで達している場合には、令状主義、黙秘権等の憲法上の保障が及ぶべきと解される。また、国税犯則取締法は、領置権限を規定している。


問17

ア× 開示請求は「何人も」なし得る(情報公開法3)。しかし、情報公開法に基づく開示請求の対象は「行政文書」である。立法機関である国会や、司法機関である裁判所の保有する文書は対象外である(情報公開法2Ⅰ、Ⅱ)から、後段は誤り。

イ× 同意は必要ない。(情報公開法7)

ウ× 相手方の氏名等が明らかにされれば、相手方に不快感、不信感を抱かせ、友好関係あるいは信頼関係を損なうおそれがあり、ひいては交際事務の目的が達成できなくなるおそれがあるというべきである(百選Ⅰ34)


問18

ア○ 「条例に基づき、公文書の公開を請求して、所定の手続きにより、請求にかかる公文書を閲覧し、又は写しの交付を受けることを求める法律上の利益を有するというべきである」

イ× 保育の実施期間が満了した場合、その後、保育園に入ることはなく、原告に利益はないため、訴えの利益は失われる。

ウ○ 放送局免許拒否処分と訴えの利益(百選Ⅰ173)


問19

ア○ 滞納処分の不可欠の前提となる徴収処分であると解される。

イ× 直接明文の規定がなくても、撤回することができる(百選Ⅰ89)

ウ○ 懲戒処分差止訴訟と義務不存在確認訴訟(百選Ⅱ207)


問20

ア○ 被告を誤った訴えの救済(行訴法15Ⅰ、Ⅴ)

イ× 「各請求の基礎となる社会的事実は一体として捉えられるべきものであって、争点も同一であるから、関連請求にあたると解するのが相当である」(百選Ⅱ186)

ウ×取消訴訟の継続中に訴えの利益が消滅した場合、損害賠償請求に変更できる。その方が経済的であり、原告の負担も減るため。

エ○ インカメラ審理(百選Ⅰ39)

文書が開示されたのと実質的に同じ事態を生じさせ、訴訟の目的を達成させてしまうことを回避するため。


問21

ア○ (土地収用法133Ⅲ)補償金額に争いがある場合、直接利害関係のある当事者間で争うのが適切なため、抗告訴訟ではなく、当事者訴訟の方が合理的であるとされる。

イ× 形式的当事者訴訟が提起された場合、裁判所は、国又は公共団体ではなく、処分、裁決をした行政庁に通知する(行訴法39)

ウ× 抗告訴訟にあたり、当事者訴訟にはあたらない(百選Ⅱ207)

エ○ (行訴法41Ⅰ、33Ⅰ)訴訟物が公法上の法律関係であることが、民事訴訟と異なる。


問22

ア2 (行訴法37の5Ⅰ)公園を使用するには、使用許可を義務付ける必要がある。

イ1 (行訴法25Ⅱ)生活保護を廃止されないため、廃止処分が執行されることを防ぐ必要がある。

ウ1 (行訴法25Ⅱ)建築確認処分がされた場合、それによって建築が可能になるという法律効果が与えられるため、その建築が執行されることを防ぐ必要がある。

エ3 (行訴法37の5Ⅱ)不利益処分により、補うことのできない損害を防止するため、これを差し止める必要がある。※侵害排除請求権


問23

ア× 「公権力の行使」には、公立学校における教師の教育活動も含まれる(国家賠償法1Ⅰ)

イ○ 「職務を行うについて」の意義(百選Ⅱ229)

ウ× 目的に沿った利用に伴い発生した危険性をも包含し、利用者以外の第三者に対するものも含む(百選Ⅱ241)


問24

ア× 上級機関から下級機関に対して、権限の委任が行われた場合、権限は下級機関に完全に移るが、上級機関としての指揮監督権は失われない。

イ○ 法定受託事務は、機関委任事務と異なり、国の事務ではなく地方公共団体の事務であり、互いに独立した行政主体間の協力関係を前提としている。

ウ× 大臣の統轄下にありつつ、組織的には、省の内部部局とは異なる独立性を有する。

エ×直接国民に影響を与えるものでない限り、処分性がないため、抗告訴訟を提起することはできない。

【司法試験予備試験】R4短答解説(刑事訴訟法)

問14

ア○ 緊急逮捕(210Ⅰ)

イ× 勾留請求できるのは検察官のみである(203Ⅰ、204Ⅰ、205Ⅰ)

ウ× 証人尋問の請求ができるのは検察官のみである(226、227Ⅰ)

エ○ 鑑定受託者と処分、許可状(225Ⅱ)

オ○ 令状による差押え、記録命令付き差押え、捜索、検証(218Ⅳ)


問15

ア○ 勾留と被告事件の告知(61)

イ× 起訴前の勾留期間、勾留期間の延長(208)

ウ× 被疑者勾留は、公訴の定期とともに、被告人勾留に自動的に切り替わる(280)

エ○ 刑訴規則69条を満たすので問題ない。

オ× 勾留の期間の更新(60Ⅱ)


問16

ア× 一般の捜索差押と異なり、身体検査としての性質も併せ持つので、218条5項が準用されるべきである(百選27)

イ○ 必要最小限度の有形力を行使できると解するのが相当である(百選28)

ウ○ 強制採尿(百選27)

エ○ 領置(221)

オ× 同意があるため、強制処分(197Ⅰ)には当たらない。DNA検査について、必要性、相当性が認められれば許容される余地がある。


問17

ア○ 宣誓(166、規則128Ⅰ)

イ× 鑑定と必要な処分、許可状(168Ⅰ)

ウ× 鑑定留置(167Ⅰ、Ⅳ)

エ× 「勾引に関する規定を除いて」(171)

オ○ 鑑定の報告(規則129Ⅰ)


問18

ア○ 接見指定の合憲性、要件(百選33)

イ× 氏名は、原則として不利益な事実に当たらない。

ウ× 223条2項は198条2項を準用していない。

エ○ 被告人の権利保護のための告知事項(規則197Ⅰ)

オ× 証言の拒絶(規則122Ⅰ)


問19

ア× 「39条1項に規定する者以外の者との接見を禁じ」(81)

イ○ 準抗告(429Ⅰ②)

ウ○ 検察官請求証拠の開示、証拠の一覧表の交付(316の14Ⅱ)

エ× 「相手方又はその弁護人の意見を」(規則190Ⅱ)

オ× 上訴権者(355)


問20

ア× 時効の起算点(253Ⅰ)

イ× 科刑上一罪の関係にある各罪の公訴時効完成の有無を判断するにあたっては、その全部を一体として観察すべきものと解するのが相当である。

ウ○ 時効の起算点(253Ⅱ)

エ× 公訴の提起と時効の停止(254Ⅰ)

オ○ その他の理由による時効の停止(255Ⅰ)


問21

ア× 決定に際しては、検察官、被告人又は弁護人の意見を聞かなければならないが、却下の決定に対して即時抗告できるとの規定はない(316の2Ⅰ)

イ× 義務はないが、出頭を求めることはできる(316の9Ⅰ、Ⅱ)

ウ○ 裁判員の参加する裁判の手続(裁判員法49)

エ○ 被告人、弁護人による主張の明示と証拠調べ請求(316の17Ⅰ)

オ○ 整理手続終了後の証拠調べ請求の制限(316の32Ⅰ)


問22

ア× 被告人を退廷させることができるのは、裁判所法71条による場合等である(288)

イ○ 証人への付き添い(157の4Ⅰ)

ウ○ 被害者参加人への付き添い、遮蔽措置(316の39Ⅰ)

エ○ 冒頭手続(291Ⅱ)

オ× 公開の法廷での証人等特定事項の秘匿(290の3Ⅰ)


問23

ア○ 挙証責任とは、証明すべき事実の存否を判断できない場合に、不利益を受ける一方当事者の法的地位のこと。

イ× 刑事裁判における有罪の認定にあたっては、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要であるが、見解Ⅰは「立証できない場合に(法律要件)→不利益を受ける(法律効果)」とするものであり、「立証しなければならない」と解するものではない。

ウ× 被告人が立証できなかった場合には、推定がはたらき、その結果、裁判所がそれを証拠の一つとして“認定することができることになる”のであって、「することができる」を裁判所の裁量(しないこともできるという意味)と解することはできない。

エ× Ⅰ説に対する批判である。

オ○ Ⅱ説と整合する。


問24

ア× 「憲法及び刑事訴訟法になんらの規定も置かれていないので、この問題は刑事訴訟法の解釈に委ねられているものと解するのが相当である」(百選90)

イ× 「令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが、将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合においては、その証拠能力は否定されるものと解すべきである」(百選90)

ウ× 手続に違法があるとして直ちにその証拠能力を否定することは、事案の真相の究明に資するものではなく、相当でない(1)。真相を解明すべき事案の重大性や、そのための証拠の重要性をも考慮すべきである。

エ× いわゆる「直接利用」について、証拠物の発見を目的とし捜索に利用するために行われたものとは認められないなどの事実関係の下においては、証拠能力を肯定した判例がある。

オ× いわゆる「同一目的」については、必ずしも判断基準に加えるものではない。警察官が令状を提示せずに窃盗の容疑で逮捕した後に、覚醒剤使用の疑いがあったため、尿検査を実施して鑑定書を作成した事案においては、令状主義の精神を没却する重大な違法があり、証拠能力を認めることは将来の違法捜査抑止の見地から相当でないとして、尿の鑑定書の証拠能力を否定した。


問25

Ⅰ(虚偽排除説)Ⅱ(人権擁護説)Ⅲ(違法排除説)

ア○ Ⅰの見解に対する批判である。

イ○ Ⅱの見解に対する批判である。

ウ○ Ⅲの見解に対する批判である。

エ○ 被告人側の視点から、そのような評価が可能である。

オ○ 取調官側の態度、方法に着目している。


問26

ア○ 被告人が被害者に暴行を加え、傷害を負わせたという事実は、強盗致傷罪において、自白にかかる補強証拠となり得る。

イ○ 補強証拠(百選77)

ウ○ 既に客観的要件事実が認められるなら、それで十分であり、主観的要件事実にかかる補強証拠を必要としない。

エ× 補強証拠は自白の真実性を確認できるものであれば足り、補強の必要な範囲に形式的な基準はない。

オ○ 窃盗事件につき、被告人の自白後に作成された被害届であっても、自白の補強証拠とするに足りる。

【司法試験予備試験】R4短答解説(刑法)

問1

1× 使用目的に沿う動作をさせないこと、又は使用目的に反する動作をさせることが必要である(234の2Ⅰ)

2○ (234)現に業務妨害が発生したことを要せず、業務を妨害するに足りる行為をもって足りる。

3× (233)人の業務を妨害するため、他人の不知又は錯誤を利用する意図を持って、錯誤を生じさせる手段を施すことをいい、偽計業務妨害罪が成立する。

4○ (233)経済的な側面における人の社会的な評価を保護するものである。

5× (233)被害者の面前で行使される必要はなく、威力業務妨害罪が成立する。


問2

ア○ 実力行使が刑罰法令に触れることがあっても、35条により、罰せられない。

イ× (130、35)住居侵入罪が成立しないのは、正当な行為にあたるからであって、労働争議は法令による行為ではない。

ウ× (230)防御権の行使ではない。名誉毀損罪が成立する。

エ× (246Ⅰ)正当な業務による行為ではない。経済活動における社会通念上許容される範囲を逸脱しており、詐欺罪が成立する。

オ× (205)宗教上の行為といえど、行為の態様及び結果からすると、社会生活上正当な行為とはいえない。


問3

①b②d③e④g⑤j


問4

背任罪(247)

ア○ 財産上の損害を発生させる危険をも包含する。

イ○ 「事務」には法律行為のみならず、事実行為も含まれる。担保価値保全の任務は他人である質権者に対して負う。

ウ× 背任罪は、買い手がいなくても成立するため、甲と乙は必要的共犯の関係に立たない。甲に背任罪の共同正犯が成立する。

エ×  条件が成就しておらず、抵当権を設定していないので、「他人の事務を管理する者」とはいえず、背任罪は成立しない。

オ○ 抵当権を設定しても「他人の物」ではないので、横領罪は成立しない(252Ⅰ)


問5

ア○ 犯行時に精神の異常が認められるかどうかである。

イ× 一律に処罰の対象外としている(41)

ウ× 原因において自由な行為として、責任能力を否定することが妥当でないと認められる場合を除き、39条2項が適用される。

エ× 39条2項は必要的減軽である。

オ○ 行為者の容態や、犯罪の態様、性質等によって、個別具体的に判断する。


問6

1× 死傷結果は基本犯に随伴する行為から生じたものを含む。準強制わいせつ致傷罪が成立する(178Ⅰ、181Ⅰ)

2× わいせつ目的に関して、平成29年に判例が変更され、性的意図を必要としないと判示した。

3○ 少数人に対して行われた場合でも、反復継続する意思により行われたときは「頒布」にあたる(175Ⅰ)

4× 「わいせつ」については、作品全体における割合、芸術性、思想性、販売や広告の方法等を総合考慮して判断する。※相対的猥褻文書の理論

5× 「有償頒布する目的」とは、日本国内における目的に限られる(175Ⅱ)


問7

①a②d③f④g⑤j⑥k⑦n


問8

1○ 結局は同一の財産的利益の保護であるから、重い強盗殺人罪(240)で処断すべきである。

2○ 凶器準備集合罪(208の2Ⅰ)について、判例は公共危険罪説の立場をとっている。

3× 別個の行為であるから、両者は併合罪(45)となる。

4○ 別の客体に対する別個の行為である。

5× 別の客体に対する行為であるから、併合罪(45)である。


問9

1× (225の2)「安否を憂慮する者」には、単なる同情から安否を気遣うに過ぎないとみられる第三者は含まれない。

2× (224)欺罔行為は、他人を自己の支配下に置く手段に過ぎず、保護者、監護者に対するものでもよい。

3× (288の2)「安全な場所」とは、被拐取者がその近親者及び警察当局などによって安全に救出されると認められる場所をいい、被拐取者が救出されるまでの間に具体的かつ実質的な危険にさらされるおそれのないことを意味する。

4○ (224)保護法益は、被拐取者の自由と監護権の両方であると解される。

5× (224)監護者であっても、被拐取者の自由ないし他方監護者の監護権を侵害し得る。


問10

A説(旧過失論)B説(新過失論)C説(新新過失論)

ア× 信頼の原則は、予見可能性が認められない場合を類型化したものと考えられる。

イ○ 結果発生の現実的危険性に対する行為者の認識が問題になる。

ウ○ 基準行為から逸脱したかの判断を、行政取締法規の定める基準に準拠することになる。 

エ× A説(旧過失論)に対する批判である。

オ○ C説の批判となっている。


問11

ア× (159Ⅰ)文書の内容を認識した上で署名押印しているため、偽造にはあたらない。間接正犯でもない。甲には詐欺罪(246Ⅱ)が成立する。

イ× (163の2Ⅰ)クレジットカードを不正作出しているわけではないので、電磁的記録不正作出罪(161の2Ⅰ)が成立する。

ウ○ (155Ⅰ、158Ⅰ)「行使」とは、相手の認識下に置くことであり、「行使の目的」は、本来の用途にしたがって使用することに限らず、真正な文書として、その効用に役立たせる目的があれば足りる。

エ○ (159Ⅰ)架空の情報であっても、人格の同一性に齟齬があるため、「偽造」にあたる。

オ○(159Ⅰ)「偽造」とは、作成権限のない者が他人の名義を冒用して新たに文書を作成することをいう。


問12

ア× 見解によれば、保護責任のない者の置き去り行為は不可罰となる。

イ○ 見解に対する批判となり得る。

ウ○ 置き去りを含むとするので、成立する。

エ○ 見解に対する批判となり得る。

オ× 「場所的離隔を生じさせることにより、要扶助者を保護のない状態に置くこと」「生存に必要な保護を行わないこと」をもって直ちに成立し、具体的危険性を必要としない。


問13

ア× (230Ⅰ)「公然」とは、摘示された事実が不特定又は多数人が認識し得る状態をいう。

イ× Bは未成年者ではないので、客観的構成要件に該当せず、未成年者略取罪(224)は成立しない。乙には生命身体加害目的略取罪(225)が成立する。

ウ○ 208条の「暴行」は、人の身体に向けられた有形力の行使(狭義の暴行)であると解される。

エ× 現金を引き出せば窃盗罪(235)だが、他の口座に送金する行為には、電子計算機使用詐欺罪(246の2)が成立する。

オ× 丙の行為は犯人隠避罪(103)にあたる。「隠避」とは、蔵匿以外の方法により、官憲からの逮捕を免れさせる一切の行為をいい、身代わり出頭はこれにあたる。

【司法試験予備試験】R4短答解説(憲法)

問1

ア○ 参政権の制限(憲法15Ⅲ、公選法9、10)

イ×法人も、その活動内容は、固有の性格と矛盾しない範囲において人権による保障に値するものであるから、精神的自由権が自然人とだけ結合するものと解することはできない。後段は誤り。

ウ× 天皇や皇族も日本国籍を有する日本国民であるが、その地位や職務の特殊性から、一般の国民とは異なり、後段に列挙された人権について一定の制約を受けることも合理的である。後段は誤り。


問2

ア○ 京都府学連事件(百選Ⅰ16)

イ○ 人格的生存説に立っても、どのような権利、自由が人格的生存にとって不可欠であるかは必ずしも明らかでない。

ウ× 行政が管理する個人情報を、個人が閲読、訂正、抹消などを請求することが必要であるとの考えから、自由的側面のみならず、公権力に対して積極的にプライバシーの保護を求める側面が重視されるようになっている。


問3

地鎮祭事件(百選Ⅰ42)

ア× aからbが導かれる。

イ× bがaの前提となっている。

ウ○ bはaの批判である。


問4

ア× 集合住宅へのビラ投函と表現の自由(百選Ⅰ58)

表現の内容自体が問題なのではなく、表現の自由の行使の方法、態様が問題である。

イ× 公立図書館の蔵書と著作者の表現の自由(百選Ⅰ70)

“すでに著作物が閲覧に供された場合に”、それを不当に破棄することで人格的利益の侵害となるのであって、図書館には著作者から著作物を購入する法的義務はない。

ウ× 取材源の秘匿と表現の自由(百選Ⅰ71)

秘密と証言の比較衡量で決すべき。


問5

ア× 旭川学テ事件(百選Ⅱ136)

教育内容決定権の帰属に関する結論は当然には導き出されない。

イ○ 旭川学テ事件(百選Ⅱ136)

「国は、国政の一部として広く適切な教育政策を樹立、実施すべく、…必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についても、これを決定する権能を有する。」

ウ× 「無償」とは授業料不徴収の意(百選ⅡA11)


問6

ア× 成田新法事件(百選Ⅱ109)

制限を受ける権利利益と達成しようとする公益を総合較量して決すべきであり、必ずしもそのような機会を与えることを必要とするものではない。

イ○ GPS捜査と憲法35条(百選Ⅱ112)

ウ× 交通事故の報告義務と黙秘権(百選Ⅱ117)

氏名は「自己が刑事上の責任を問われる虞のある事項」に当たらない。


問7

ア○

イ× 天皇に対して責任を負うのみで、憲法上は議会に対して一切責任を負わなかった。

ウ× ポツダム宣言を受諾した段階で、天皇主権が否定されるとともに国民主権が成立したと解し、法的に一種の革命があったとみる説である。


問8

ア× 投票の秘密(百選Ⅱ159)

「選挙権のない者又はいわゆる代理投票をした者の投票についても、その投票が何人に対してなされたかは、議員の当選の効力を定める手続きにおいて、取り調べてはならない」

イ× 三井美唄労組事件(百選Ⅱ144)

「組合員に対し、勧告又は説得の域を超え、立候補を取りやめることを要求し、これに従わないことを理由に当該組合員を統制違反者として処分するが如きは、組合の統制権の限界を越えるものとして違法といわねばならない。」としている。

ウ○ 選挙権、被選挙権の本質と選挙の公正(百選Ⅱ146)


問9

ア○ bはaの根拠である。

イ× bはaと矛盾している。

ウ× bはaの批判である。


問10

ア○ 不出頭、書類不提出、宣誓、証言拒絶の罪(議院証言法7条)

イ× 議院が裁判所と異なる目的から、裁判と並行して調査することは、司法権の侵害となるものではない。

ウ×国民の知る権利に応える目的で行うことも許されると解する説もある。


問11

ア○ 税関検査事件(百選Ⅰ69)

bはaの批判である。

イ○ 岩教組学テ事件(百選Ⅱ143)

bはaの批判である。

ウ× 広島市暴走族追放条例事件(百選Ⅰ84)

bはaと無関係である。


問12

ア× 徳島市公安条例事件(百選Ⅰ83)

法令全体からみて、規制の欠如が、その事項につあて、いかなる規制をも施さず放置すべきものであると解される場合は、国の法令に違反することがある。

イ× 条例における罰則(百選Ⅱ208)

「相当な程度に具体的であり、限定されていれば足りる」

ウ○ 地域による取り扱いの差異と地方自治(百選Ⅰ32)

憲法が各地方公共団体条例制定権を定める以上、地域によって差別が生じることは当然に予期されることであるから、かかる差別は憲法自ら容認するところである」

【司法試験予備試験】R4短答解説(民法)

問1

ア○ 認知は取り消すことのできる行為に当たらない(780、120Ⅰ)※本人も取り消すことはできない(785)

イ× 「その営業に関しては」(6Ⅰ)

ウ× 自ら取り消すことができる(120Ⅰ)

エ○ 追認の要件(124Ⅰ、Ⅱ)

オ× 制限行為能力者の詐術(21)


問2

ア○ 債務を保証した者は取消権者に含まれない(120Ⅰ)

イ○ 追認とは取消権を放棄すること。それにより有効が確定し、一度追認した行為は、他の取消権者によっても取り消すことができない。法律関係の安定をはかるため。

ウ× 取り消しの意思表示は、相手方であるCにすればよい(123)

エ× 「現に利益を受けている限度において」(121の2Ⅲ)

オ× 追認することができる時から5年、行為の時から20年(126)


問3

ア×  指図による占有移転の場合、代理人であるBの承諾は必要なく、第三者であるCの承諾が必要である(184)

イ× 登録が必要な動産は、登録によって引き渡しが擬制されるため、登録の先後によって優劣が決まる。

ウ× Bは占有改定によって有効に引き渡しを受けているため、所有権を取得する。無権利者となったAから現実に引き渡し受けたCは、悪意であるため、即時取得をもってBに対抗することができない。

エ○ 占有改定によって引き渡しを受けた場合は、外観上の占有を信頼して取引した人を保護するため、即時取得をもって対抗することができない。

オ○ 簡易の引き渡し(182Ⅱ)


問4

ア× 第三者が共有物を侵害した場合の損害賠償請求権は各共有者の持分の割合に応じた分割債権になる。(427)

イ× 農地から宅地にすることは共有物の変更にあたり、共有者の1人が無断で共有物の変更をすることは、他の共有者の持分権の侵害となるので、他の共有者は単独で原状回復請求ができる。

ウ○ 共有物に関する負担(253Ⅰ、Ⅱ)

エ× 新たに発生した権利ではないので、原始取得するわけではない。

オ○ 共有に関する債権の弁済(259Ⅰ)


問5

ア× 地上権は自由に譲渡できる(343)

イ× 譲渡する際の土地所有者の承諾は不要である。

ウ× 地下又は空間を目的とする地上権(269Ⅰ)

エ○ 地上権の存続期間については定めがない(268Ⅰ)

オ○ 地代については支払わない旨の設定も可(266Ⅰ)


問6

ア× 占有が不法行為によって始まった場合は留置することができない(295Ⅱ)

イ○ 留置権は物権であり、誰にでも主張できる。よって、転得者であるCに対しても主張できる。

ウ× 留置権には優先弁済的効力がないため、物上代位することができない。

エ× 一度無許可で賃貸した事実は変わらないので、留置物が返還されたことに関係なく、債務者は留置権の消滅を主張できる(298Ⅱ、Ⅲ)

オ○ 「訴えを提起したとき」とは、占有回収の訴えに勝訴し、現実に占有が回復することを意味する(203)この場合、占有を奪われていた間も占有を継続していたものとみなす。よって、留置権は消滅しない。


問7

ア× 第三債務者は、質権設定者から通知を受ける前に債務が消滅した場合、当然に質権者に対抗できる(468Ⅰ)

イ○ 債権譲渡登記ファイルへの設定登記は、確定日付のある証書によってしたものとみなす(動産債権譲渡特例法4、14、民法467Ⅱ)

ウ○ 債権者による債権の取り立て等(366Ⅰ、Ⅱ)

エ○ 債権者による債権の取り立て等(366Ⅲ)

オ× 質権の被担保債権の範囲(346)


問8

ア○ 本来の債務の履行ではなく、履行の提供をしたにすぎない場合には、その履行が継続されない限り、同時履行の抗弁権を失わない。

イ× 受領遅滞「自己の財産に対するのと同一の注意をもってすれば足りる」(413Ⅰ)

ウ○ 受領遅滞(413Ⅱ)

エ○ 弁済の提供の効果(492)それ以降は債権者が受領遅滞の責任を負う(413)

オ× 目的物の滅失等についての危険の移転(567Ⅱ)


問9

ア× 将来債権の譲渡性(466の6Ⅲ)

イ× 「同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催促をし」(466Ⅲ、Ⅳ)

ウ○ 債権の譲渡性(466Ⅲ)

エ○ 譲渡制限の意思表示がされた債権に係る債務者の供託(466の2Ⅰ)

オ× 譲渡制限の意思表示がされた債権の差押え(466の4Ⅱ)


問10

ア○ 第三者のためにする契約(537Ⅰ、Ⅲ)

イ× 第三者のためにする契約の効力(537Ⅱ)

ウ○ 第三者の権利の確定(538Ⅰ、537Ⅲ)

エ○ 第三者の権利発生後の契約の解除(538Ⅱ)

オ× 債務者の抗弁(539)→同時履行の抗弁(533)


問11

ア○ 使用貸借の解除(598Ⅱ)

イ○ 期間の定めのない賃貸借契約の解約の申し入れ(617Ⅰ)

ウ× 請負人が契約を解除することはできない(641)

エ○ 委任の解除(651)

オ× 寄託物受取り前の寄託者による寄託の解除等(657の2Ⅱ)


問12

ア× 不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲(316)

イ× 敷金の充当(622の2Ⅱ)

ウ× 賃貸借契約が終了し、かつ賃貸物の返還を受けた時に、敷金返還義務が生じる(622の2Ⅰ①)。特別の約定がないかぎり、同時履行の関係には立たない。

エ○ 敷金返還義務(622の2Ⅰ②)

オ○ 「敷金の返還にかかる債務は譲受人又はその承継人が承継する」(605の2Ⅳ)。敷金の充当について明文の規定はないが、判例は旧賃貸人に対する債務額を控除した敷金返還債務は新賃貸人に承継されるとしている。


問13

ア○ 701条は650条3項を準用していない。

イ× 「現に利益を受けている限度において」その償還を請求することができる(702Ⅲ)

ウ× 事務管理には、管理者と本人の間に権利義務を発生させるのみで、代理権が授受されるわけではない。

エ○ 委任の規定の準用(701)→受任者による報告(645)

オ○ 緊急事務管理(698)


問14

ア× Dは「配偶者の嫡出である子」に当たらない(795)

イ○ 協議上の離縁等(811Ⅱ)

ウ○ 離縁による親族関係の終了(729)

エ× 養親子関係は複数の縁組が成立可能と解されており、離縁しなくても他の者の養子となることができる。※転縁組

オ× 「監護すべき者」という規定はなく、父母の同意が必要である(817の6)


問15

ア○ 遺言能力(962)

イ○ 遺産の分割の方法の指定(908Ⅰ)

ウ○ 被後見人の遺言の制限(966Ⅰ)

エ× 遺留分制度は、相続人に一定の遺産を留保させて保護する趣旨のもと、遺留分権を認めたものであるから、遺留分が侵害されたからといって遺言が無効となることはない。

オ× 「遺言の方式に従って」(1022)