【司法試験予備試験】R4短答解説(刑事訴訟法)

問14

ア○ 緊急逮捕(210Ⅰ)

イ× 勾留請求できるのは検察官のみである(203Ⅰ、204Ⅰ、205Ⅰ)

ウ× 証人尋問の請求ができるのは検察官のみである(226、227Ⅰ)

エ○ 鑑定受託者と処分、許可状(225Ⅱ)

オ○ 令状による差押え、記録命令付き差押え、捜索、検証(218Ⅳ)


問15

ア○ 勾留と被告事件の告知(61)

イ× 起訴前の勾留期間、勾留期間の延長(208)

ウ× 被疑者勾留は、公訴の定期とともに、被告人勾留に自動的に切り替わる(280)

エ○ 刑訴規則69条を満たすので問題ない。

オ× 勾留の期間の更新(60Ⅱ)


問16

ア× 一般の捜索差押と異なり、身体検査としての性質も併せ持つので、218条5項が準用されるべきである(百選27)

イ○ 必要最小限度の有形力を行使できると解するのが相当である(百選28)

ウ○ 強制採尿(百選27)

エ○ 領置(221)

オ× 同意があるため、強制処分(197Ⅰ)には当たらない。DNA検査について、必要性、相当性が認められれば許容される余地がある。


問17

ア○ 宣誓(166、規則128Ⅰ)

イ× 鑑定と必要な処分、許可状(168Ⅰ)

ウ× 鑑定留置(167Ⅰ、Ⅳ)

エ× 「勾引に関する規定を除いて」(171)

オ○ 鑑定の報告(規則129Ⅰ)


問18

ア○ 接見指定の合憲性、要件(百選33)

イ× 氏名は、原則として不利益な事実に当たらない。

ウ× 223条2項は198条2項を準用していない。

エ○ 被告人の権利保護のための告知事項(規則197Ⅰ)

オ× 証言の拒絶(規則122Ⅰ)


問19

ア× 「39条1項に規定する者以外の者との接見を禁じ」(81)

イ○ 準抗告(429Ⅰ②)

ウ○ 検察官請求証拠の開示、証拠の一覧表の交付(316の14Ⅱ)

エ× 「相手方又はその弁護人の意見を」(規則190Ⅱ)

オ× 上訴権者(355)


問20

ア× 時効の起算点(253Ⅰ)

イ× 科刑上一罪の関係にある各罪の公訴時効完成の有無を判断するにあたっては、その全部を一体として観察すべきものと解するのが相当である。

ウ○ 時効の起算点(253Ⅱ)

エ× 公訴の提起と時効の停止(254Ⅰ)

オ○ その他の理由による時効の停止(255Ⅰ)


問21

ア× 決定に際しては、検察官、被告人又は弁護人の意見を聞かなければならないが、却下の決定に対して即時抗告できるとの規定はない(316の2Ⅰ)

イ× 義務はないが、出頭を求めることはできる(316の9Ⅰ、Ⅱ)

ウ○ 裁判員の参加する裁判の手続(裁判員法49)

エ○ 被告人、弁護人による主張の明示と証拠調べ請求(316の17Ⅰ)

オ○ 整理手続終了後の証拠調べ請求の制限(316の32Ⅰ)


問22

ア× 被告人を退廷させることができるのは、裁判所法71条による場合等である(288)

イ○ 証人への付き添い(157の4Ⅰ)

ウ○ 被害者参加人への付き添い、遮蔽措置(316の39Ⅰ)

エ○ 冒頭手続(291Ⅱ)

オ× 公開の法廷での証人等特定事項の秘匿(290の3Ⅰ)


問23

ア○ 挙証責任とは、証明すべき事実の存否を判断できない場合に、不利益を受ける一方当事者の法的地位のこと。

イ× 刑事裁判における有罪の認定にあたっては、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要であるが、見解Ⅰは「立証できない場合に(法律要件)→不利益を受ける(法律効果)」とするものであり、「立証しなければならない」と解するものではない。

ウ× 被告人が立証できなかった場合には、推定がはたらき、その結果、裁判所がそれを証拠の一つとして“認定することができることになる”のであって、「することができる」を裁判所の裁量(しないこともできるという意味)と解することはできない。

エ× Ⅰ説に対する批判である。

オ○ Ⅱ説と整合する。


問24

ア× 「憲法及び刑事訴訟法になんらの規定も置かれていないので、この問題は刑事訴訟法の解釈に委ねられているものと解するのが相当である」(百選90)

イ× 「令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが、将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合においては、その証拠能力は否定されるものと解すべきである」(百選90)

ウ× 手続に違法があるとして直ちにその証拠能力を否定することは、事案の真相の究明に資するものではなく、相当でない(1)。真相を解明すべき事案の重大性や、そのための証拠の重要性をも考慮すべきである。

エ× いわゆる「直接利用」について、証拠物の発見を目的とし捜索に利用するために行われたものとは認められないなどの事実関係の下においては、証拠能力を肯定した判例がある。

オ× いわゆる「同一目的」については、必ずしも判断基準に加えるものではない。警察官が令状を提示せずに窃盗の容疑で逮捕した後に、覚醒剤使用の疑いがあったため、尿検査を実施して鑑定書を作成した事案においては、令状主義の精神を没却する重大な違法があり、証拠能力を認めることは将来の違法捜査抑止の見地から相当でないとして、尿の鑑定書の証拠能力を否定した。


問25

Ⅰ(虚偽排除説)Ⅱ(人権擁護説)Ⅲ(違法排除説)

ア○ Ⅰの見解に対する批判である。

イ○ Ⅱの見解に対する批判である。

ウ○ Ⅲの見解に対する批判である。

エ○ 被告人側の視点から、そのような評価が可能である。

オ○ 取調官側の態度、方法に着目している。


問26

ア○ 被告人が被害者に暴行を加え、傷害を負わせたという事実は、強盗致傷罪において、自白にかかる補強証拠となり得る。

イ○ 補強証拠(百選77)

ウ○ 既に客観的要件事実が認められるなら、それで十分であり、主観的要件事実にかかる補強証拠を必要としない。

エ× 補強証拠は自白の真実性を確認できるものであれば足り、補強の必要な範囲に形式的な基準はない。

オ○ 窃盗事件につき、被告人の自白後に作成された被害届であっても、自白の補強証拠とするに足りる。